2012年12月2日日曜日

マイナンバー法案勝手逐条解説:第3条第2号


第三条 個人番号及び法人番号の利用は、この法律の定めるところにより、次に掲げる事項を旨として行うものとする。

二 情報提供ネットワークシステムその他これに準ずる仕組みを利用して迅速かつ安全に情報の授受を行い、情報を共有することによって、社会保障制度、税制その他の行政分野における給付と負担の適切な関係の維持に資すること。

本条は、個人番号及び法人番号を利用する際の心構えについて規定するものである。本条の最大の特徴は主語が明示されていないことである。これは、基本理念を示す条項において一般的な特性である。行政庁及び独立行政法人等は、本条の対象か否かを自ら判断することが求められる。また、簡易な手続きを設けるためには新たな法律や既存の法律の改正が必要な場合もあり、行政機関における法制に関する事務の実施に際してや立法府に対するメッセージでもある。ただし、行政機関、地方公共団体その他の行政事務を処理する者に対する義務を規定していると解してはならず、立法趣旨を示したものと理解すべき条項である。

本条第2号は、行政庁及び独立行政法人等の間で、給付と負担の適切な関係の維持に資する場合には情報の共有を進めるべきことを示している。同条第3号では、従来であれば場合に、既に他の行政庁及び独立行政法人等に同一の情報が提出されている場合には、情報の提出を求めることを避けるべきことが示されているので、本号の規定は、特に個人又は法人その他の団体に情報の提出を求める必要がない場合であっても、社会保障制度、税制その他の行政分野における給付と負担の適切な関係の維持に資する可能性がある場合には情報の共有を進めるべきことが示されていると解する必要がある。

一方で、本号は行政庁及び独立行政法人等に、独自に給付と負担の適切な関係を判断する裁量権を拡大していると解してはならない。給付と負担の適切な関係の維持のために必要な事務は法及び法で受権された政令・省令で定められるべきものであり、給付及び負担の適切な関係の維持に必要な事務は法及び政令で具体的に定められることが本来である。したがって、実際には本条第3号に基づいて情報の共有は行われることとなる。したがって、本号は立法趣旨を提示したものであり、行政庁及び独立行政法人に具体的な努力目標を提示していると解すべきものではないといえる。立法府が自ら立法府に対して示した努力目標といえる。

(本投稿はパロディです)

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