2013年2月24日日曜日

個人情報保護法連結可能匿名化と共同利用に係るガイドラインの状況

個人情報保護法における連結可能匿名化(第2条第1項の『他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む』の規定に係るもの)と共同利用についての各府省のガイドラインの状況を抜き出してみた。

■厚生労働省の例
●容易に照合
事業者内で医療・介護関係個人情報を利用する場合は、事業者内で得られる他の情報や匿名化に際して付された符号又は番号と個人情報との対応表等と照合することで特定の患者・利用者等が識別されることも考えられる。法においては、「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるもの」についても個人情報に含まれるものとされており、匿名化に当たっては、当該情報の利用目的や利用者等を勘案した処理を行う必要があり、あわせて、本人の同意を得るなどの対応も考慮する必要がある。
●共同利用
(ア)共同して利用される個人データの項目、(イ)共同利用者の範囲(個別列挙されているか、本人から見てその範囲が明確となるように特定されている必要がある)、(ウ)利用する者の利用目的、(エ)当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称、をあらかじめ本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態においておくとともに、共同して利用することを明らかにしている場合には、当該共同利用者は第三者に該当しない。
この場合、(ア)、(イ)については変更することができず、(ウ)、(エ)については、本人が想定することが困難でない範囲内で変更することができ、変更する場合は、本人に通知又は本人の容易に知り得る状態におかなければならない。


■金融庁の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
事業者による「共同して利用する者の範囲」の通知等については、共同して利用する者を個別に列挙することが望ましい。また、共同して利用する者の外延を示すこと により本人に通知等する場合には、本人が容易に理解できるよう共同して利用する者 を具体的に特定しなければならない。外延を示す具体例としては、
・ 当社及び有価証券報告書等に記載されている、当社の子会社
・ 当社及び有価証券報告書等に記載されている、連結対象会社及び持分法適用会社
といった方法が適切である。
同号に定める「個人データの管理について責任を有する者」(以下「管理責任者」という。)は、共同して利用する者において、第一次的に苦情を受け付け、その処理を行うとともに、開示、訂正等及び利用停止等の決定を行い、安全管理に責任を有する者をいう。なお、同号は、管理責任者以外の共同して利用する者における安全管理責任等を免除する趣旨ではないことに留意する。


■総務省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
(特になし)


■経済産業省の例
●容易に照合
「他の情報と容易に照合することができ、…」とは、例えば通常の作業範囲において、個人情報データベース等にアクセスし、照合することができる状態をいい、他の事業者への照会を要する場合等であって照合が困難な状態を除く。
●共同利用
①共同して利用される個人データの項目
②共同利用者の範囲(本人からみてその範囲が明確であることを要するが、範囲が明確である限りは、必ずしも個別列挙が必要ない場合もある。)
事例)最新の共同利用者のリストを本人が容易に知り得る状態に置いているとき
③利用する者の取得時の利用目的(共同して利用する個人データのすべての利用目的)
④開示等の求め及び苦情を受け付け、その処理に尽力するとともに、個人データの内容等について、開示、訂正、利用停止等の権限を有し、安全管理等個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称(共同利用者の中で、第一次的に苦情の受付・処理、開示・訂正等を行う権限を有する事業者を、「責任を有する者」といい、共同利用者の内部の担当責任者をいうのではない。)
上記③及び④については、社会通念上、本人が想定することが困難でないと認められる範囲内で変更することができ、変更する前に、本人に通知又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。
また、上記①及び②については原則として変更は認められないが、次の場合、引き続き共同利用を行うことができる。
【引き続き共同利用を行うことができる事例】
事例1)共同利用を行う事業者や個人データの項目の変更につき、あらかじめ本人の同意を得た場合
事例2)共同利用を行う事業者の名称に変更があるが、当該事業者の事業内容に変更がない場合
事例3)共同利用を行う事業者について事業の承継が行われた場合


■国家公安委員会の例
●容易に照合
(5) 特定の個人を識別できる情報が記述されていなくても、周知の情報を補って認識することにより特定の個人を識別できる情報
(7) 個人情報の取得後に当該個人情報に付加された個人に関する情報(取得時に生存する特定の個人を識別することができなかったとしても、取得後、新たな情報が付加され、又は照合された結果、生存する特定の個人を識別できることとなったときは、その時点で「個人情報」となる。)
●共同利用
ア 共同利用をする旨
イ 共同して利用される個人データの項目(例えば、氏名、住所、電話番号、商品購入履歴等)
ウ 共同して利用する者の範囲
エ 利用する者の利用目的
オ 開示等の求め及び苦情を受け付け、その処理に尽力するとともに、個人データの内容等について、開示、訂正、利用の停止等の権限を有し、個人データの安全管理等について共同利用者の中で第一次的に責任を有する事業者の氏名又は名称
ただし、イ又はウの規定に掲げる事項を変更する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
また、エ又はオの規定に掲げる事項を変更する場合は、変更する内容について、変更前にあらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。


■法務省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
ア 共同利用をする旨
イ 共同して利用される個人データの項目
ウ 共同して利用する者の範囲
エ 利用する者の利用目的
オ 開示等の求め及び苦情を受け付け,その処理に尽力するとともに,個人データの内容等について,開示,訂正,利用停止等の権限を有し,個人データの安全管理等について共同利用者の中で第一次的に責任を有する事業者の氏名又は名称
ただし,イ又はウの規定に掲げる事項を変更する場合は,あらかじめ本人の同意を得なければならない。
また,エ又はオの規定に掲げる事項を変更する場合は,変更する内容について,変更前にあらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。


■外務省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
(特になし)


■財務省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
イ 共同利用をする旨
ロ 共同して利用される個人データの項目
ハ 共同して利用する者の範囲
ニ 利用する者の利用目的
ホ 当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称
財務省関係事業者は、ロ又はハの規定に掲げる事項を変更する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
財務省関係事業者は、ニ又はホの規定に掲げる内容を変更する場合は、変更する内容について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。


■農林水産省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
イ又はウの規定に掲げる事項を変更する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければならない。また、エ又はオの規定に掲げる事項を変更する場合は、変更する内容について、変更前にあらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。
ア 共同利用をする旨
イ 共同して利用される個人データの項目
ウ 共同して利用する者の範囲
エ 利用する者の利用目的
オ 開示等の求め及び苦情を受け付け、その処理に尽力するとともに、個人データの内容等について、開示、訂正、利用停止等の権限を有し、個人データの安全管理等について共同利用者の中で第一次的に責任を有する事業者の氏名又は名称


■環境省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
ア 共同利用をする旨
イ 共同して利用される個人データの項目
ウ 共同して利用する者の範囲
エ 利用する者の利用目的
オ 開示等の求め及び苦情を受け付け、その処理に尽力するとともに、個人データの内容等について、開示、訂正、利用停止等の権限を有し、個人データの安全管理等について共同利用者の中で第一次的に責任を有する事業者の氏名又は名称
ただし、イ又はウの規定に掲げる事項を変更する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
また、エ又はオの規定に掲げる事項を変更する場合は、変更する内容について、変更前にあらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。


■防衛省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
(特になし)


■国土交通省の例
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
国土交通省関係事業者は、共同して利用される個人データの項目又は共同して利用する者の範囲を変更する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
国土交通省関係事業者は、利用する者の利用目的又は個人データの管理について責任を有する者の氏名若しくは名称を変更する場合は、変更する内容について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。


■文部科学省の例(学校における生徒等)
●容易に照合
(特になし)
●共同利用
(特になし)


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